第5章 5.モテ犬
『うわーっ!このチーズ高いやつ!』
二宮くんが持ってきたチーズを開けて、
部屋着だったことも忘れて見いってた。
「そうなの?俺、わかんないから」
二宮くんはちゃっかりソファーに座って
あたしにそう言う。
やっぱり、まだまだだな。この男
でも…このセンスあるチョイスは…
『年上の人に貰ったでしょ』
「え、なんで知ってんですか」
『ふふっ…やっぱりね?年上ナメんなよ?』
「はいはい…」
二宮くんと会って2日なのに、
こんなに話せるようになって…
やっぱり、この子って変な力持ってるみたい
「ん?」
『ん?』
二宮くんは急に鼻をクンクンさせて、
あたしに近寄った。
え…い、犬…?
「シャンプー変えたでしょ」
そう言いながら、あたしの髪の毛を
ソッと持って嗅いでいた。
『………っ///』