第2章 セッターとは(菅原孝支)
「」
音駒との勝負が終わって一週間が経ったある日
クラスメイトの東峰旭が話しかけてきた
クラスメイトではあったけど席も遠く、あの日の事もあって最低限の事しか話さなかった
それに旭から話しかけてきた事は初めてと言っても過言ではなかった
『どうしたの?』
「いや..あのさ..ごめん」
『は?』
旭がなぜ謝ったのか最初は分からず、間抜けな声が出てしまった
「その..ずっと部活休んでただろ?だから..」
『ああ。その事なら良いよ。旭だって責任感じてたんでしょ?』
「そうじゃなくて..。あの時お前が言ったことの意味が分かったよ」
『!』
あの時
それは一年の影山飛雄、日向翔陽、月島蛍、山口忠が正式に男子バレーボール部に入学した少しあと
私は、影山の能力に焦っていた
彼は天才だったから
あの速攻を見て、すぐ悟った
正セッターが影山になるって
だから兄を、孝支を見ていることが出来なかった
それでもこそこそしてる旭に腹が立った
だから言ってしまった
【ウィングスパイカーなのに甘えんな】って