第1章 七夕(澤村大地)
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っていうのは良いんだけど!
ぜっんぜん思い付かない!
『はあ』
ガチャ
『兄さん』
「おっ。帰ってたか」
まだ汗も乾ききっていない
走って帰ってきたのかもしれない
(因みに私と兄さんは同部屋)
「どうした?また短冊の願い事が決まらないのか」
ギクッ
「..図星だな?」
『うん..どうしても思い付かなくて..』
「ったくお前は..」
兄さんは向かいの自分の椅子を私の方に持ってきて座った
「なんで成績優秀のくせにこういうのだけ無理なんだよ」
『そんなこと言わないで兄さん..』
私が涙目になっていると兄さんはふと頬を綻ばせた
「まあ毎回先生厳しいもんな」
『うん..兄さんは何を書くつもりなの?』
「ん?俺はやっぱ《春高予選突破!》かな?」
やっぱり春高なんだ..
『兄さんらしいね。頑張って』
「おう!」
春高予選突破!か..
そうだ!