第2章 *名前
「感情がないというお前は、一体どう啼く?」
「さぁ・・・。
自分では、わかりません」
率直に答えると、スフィア様の細長い指が突起をつまんだ。
電流のような痺れが、肌を伝う。
「んっ・・・」
突起を指でこねられ、スフィア様の唇が私の鎖骨を伝う。
その時、さらりとした彼の髪が私の胸元に垂れてきて、そのこそばゆさに身を震わせる。柔らかく、流れるような彼の髪が、私の視界に映る。
「スフィア、さま・・・っ、あっ」
突起を口に含まれて、腰を揺らす。
彼の長い指が太ももを伝って、焦らすように動かされた。
「スフィアで良い」
彼が短く言う。
スフィアでいいということは、呼び捨てで呼べという事か。
だけどそれは、王子である彼に対しあまりにも礼を欠いている行為といえよう。
私は彼から絶え間なく送られる刺激に耐えながら、声を上げた。
「で、でもそれは、んっ、ああっ・・・!」
彼の舌が突起をなめあげ、肌を濡らす。
「いい。スフィアと呼べ」
「ですが、」
尚も反義の声を上げる私に、彼は声を封じるように唇を重ねる。