ENDLESS L♥VE【DIABOLIK LOVERS】
第5章 闇にまぎれしその正体
最近、夢を見る。
真っ暗な闇の世界にわたしがひとりぽつんといる。他には何も無い。あるのはひたすらに続く闇と、もうひとりのわたし。
『あなたは誰?』
わたしが問いかけても彼女は何も話さない。その場で膝を抱えてうずくまっているだけ。
『ねえ………聞こえてる?あなたはわたしなの?』
いつもならここで目が覚めるのだけど、今回はまだ続きがあるみたいだ。
『顔を上げて』
わたしは彼女に近づき、肩にそっと手を置いた。
〈ワタシはわたし。ただそれだけ。わたしが光なら、ワタシは闇〉
頭に直接声が響いてくる。
『意味がわからない。どういうこと?』
〈そのままの意味。あなたもいつか分かる。いや……もう気づいている。ワタシの存在を〉
この続きを聞く事は無かった。
わたしの中の闇。
ああ、知ってる。
わたしはワタシを知っている────。