第4章 出前 〜音羽〜
結局魁斗さんは戻ったらしくて、後から司さんに騒がせてごめんと言われた。
なんか、魁斗さん問題児みたい。
それはともかく、どうしてこんなことになったんだろう。
聞かれたくないようなことなら聞かないけれど、気にならないといえば嘘になる。
だからといって聞く気も起きないけど。
『よしっ。片付け終わり。
そろそろ閉めようかな』
看板を中に戻そうと外に出ると、慎之助さんとばったり会った。
シ「あ、美奈子」
『慎之助さん!偶然ですね!』
シ「ううん。運命だよ。
僕と君はここで会う運命だったんだ」
『は、はぁ……』
シ「あ、そうそう。
カイトには言わないでって言われたんだけど、君が心配してると思うから言うね。
今日、カイトが家出したって言ったでしょ?
それ、意見の食い違いで部屋飛び出しちゃったの。
よくあることなんだけどね」
そうだったんだ……
シ「カイト、カッコつけたがりだから隠してるんだと思うよ。
僕が言ったことはナイショね?」
『はい!
教えてくれて、ありがとうございます』
シ「ううん。
今度一緒にドーナツ屋さんに行くだけでいいよ」
(あ、行くんだ……)
シ「じゃあね。いい夢見れそう。
おやすみ」
『おやすみなさい!』