第34章 -シュークリーム②-(岩泉一)
「お疲れ〜♪」
皆が自主練から戻ってくる前に部室で着替え終わったトコロで、今日も岩泉が一番最初に戻ってきた。自主練が長引いた時、一番最初に部室に戻ってくるのは、だいたい岩泉だ。
「おう。つぅか、オマエまたココで着替えたのかよ?」
「うん。女子更衣室遠いんだもんーー。」
「…いい加減やめろよ?」
「はーい。」
岩泉のことばに適当に返事をして、椅子に座ってマッキーにもらったシュークリームの袋を開ける。
「つぅか、外で待ってろよ?いつも言ってんだろ?オレも着替えるし、他の奴らももう来るぞ?」
「大丈夫♪岩泉たちの着替え見ても欲情しないから(笑)ん…美味しーい♪」
さすがマッキーおすすめのシュークリーム♪クリームたっぷりで美味しすぎる♪
「そっちじゃなくて自分の心配しろよ⁈そんなことしてっといつか襲われっからな⁈」
「…っ⁈そんなことする人、うちの部にいないでしょ?」
岩泉のことばに少しだけドキッとしたけど、その胸の鼓動には気付かないふりをする。
「はぁ…。今、外で待ってろっつったよな?何食ってんだよ?」
「見たらわかるでしょー?シュークリームだよ♪マッキーがくれたの♪」
「…。」
呆れる岩泉を無視して、シュークリームを口に運ぶと、疲れた身体に甘いシュークリームが染み渡る。
「あ〜美味しかった♪」
シュークリームも食べたし、他の皆もそろそろ戻ってくるかな…と思い、椅子から立ち上がろうとした瞬間、真剣な表情の岩泉がわたしの目の前に立ちはだかった。
「…いたら、どーすんだよ?」
「え?」
「オレに狙われてんの気付けよ。」
……チュ。
---End---