第27章 -偶然か必然か-(黒尾鉄朗)
それから1週間後…また取引先の帰りにあのカフェに行った。
今日はやたら混んでる気がしたが、すぐに目で彼女を探す。
…いたっ‼︎
混んではいたが、いつものあの角の席に彼女はいた。
オレは混んでるコトを逆手に取り、そして、彼女がオレのコトを覚えていてくれるコトをひたすら願って、彼女の元へ向かった。
…
……
………
ガッ…
カタン。
オレは彼女のテーブルの空いている椅子を引き、そこへ座った。
「…っ⁈⁈」
彼女はビックリした表情で顔をあげた。
「おねーさん、ココ、相席させてもらってもいーっすか?」
「…っ⁈」
まるでこの間のオレのように彼女はポカンとしていた。
「くくっ(笑)その顔はオレのコト覚えててくれたってコトかな?」
オレはすんげぇ嬉しくて、ジッと彼女の顔を覗き込んで聞くと、彼女はコクンと頷いてくれた。
「また会ったな。今日はご馳走してくれる?」
今日が本当のオレと彼女との出会いの日になった。
---End---