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〜Petite Story〜

第26章 -何度でも告白を-(赤葦京治)


「宮岡、送るよ。」

音駒戦が終わって、いったん学校に戻ってから、解散すると、赤葦くんが送ると言ってくれた。

「え…?でも…」

「こないだのことなら、まだいいから。」

「…っ⁈」

赤葦くんのことばに思わず体は固まり、その代わりに心臓のドキドキが止まらない。

「オレが送りたいだけだから。行くよ?」

「うん。」

ちょうど1週間前、練習帰りにこうやって送ってくれると言ってくれた赤葦くんに告白…された。

意識してなかったと言ったら、嘘になる。
赤葦くんは物静かだけど、喋らないわけではない。いつもさりげなく気遣ってくれていたし、部の中で1番優しいと思う。

それでも赤葦くんの告白の返事を保留していたのは、わたし自身の”好き”という感情がわからなかったから。

でも…今日の試合中から、赤葦くんと話すたびにドキドキが止まらない。

赤葦くんはいつも通りだった。

木兎さんの突然の「クロスどーやって打ってたっけ?」発言に、皆が慌てていたのに、1人冷静に打開策を考えていた。

「道は作りますので」

赤葦くんのことばにハッとした。


こんな強いことばを言い切れる人なのか…と。


でも、自分の勝手で返事を保留していたのに、今更なんて返事をすれば…


「宮岡?」

「え⁈あ‼︎ゴメン‼︎なに?」

ずっと黙っていたわたしに赤葦くんが不思議そうに話し掛けてきた。

「何考え込んでるの?」

「赤葦くんのこと……っ⁈って、あ‼︎その‼︎えっと‼︎違うの‼︎」

思わず正直に言ってしまい、慌ててしまう。

「オレのコトなら大歓迎だけど?」

「…っ⁈」

「オレのコトで、尚且ついいコトなら尚更ね?」

「…っ⁈」

ストレートな赤葦くんのことばにわたしは何も言えなくなり、ただただ顔が赤くなるコトだけ感じていた。

「オレ…宮岡のコト、好きだよ。」

「…っ‼︎」

突然立ち止まり、手をギュッとして、赤葦くんはもう一度告白してくれた。


赤葦くん…わたしの気持ちに気付いてる?


後押ししてくれてる?


二回も告白してくれた赤葦くんにわたしもちゃんとこたえなきゃ…。

「わ…わたしも…す…好きで…っ⁈」

「オレも好き。」

わたしが言い終わる前に赤葦くんはギュッと抱き締めてくれ、三回目の告白をしてくれた。



---End---


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