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〜Petite Story〜

第3章 -寝起き-(黒尾鉄朗)


「黒尾せんぱーい!起きてくださーい!」

「……………」

お…起きない…。

合宿2日目AM6:00…
他のメンバーはもう起きているのに、起きていないのは我が音駒バレー部主将…黒尾先輩だけ。

夜久先輩になぜか黒尾先輩を起こしに行くように頼まれ、男子部屋に来たはいいけど…この先輩は本当に起きない気がする。

もしかして、全然起きないから、夜久先輩、わたしに頼んだ⁈

そもそも両サイドのこの枕は何⁈
研磨先輩が「クロは寝ながら髪セットしてるから」って言ってたけど、こういうことだったのね…。



って、納得してる場合じゃなかった!
黒尾先輩、起こさなきゃ!

「くーろーおーせーんーぱぁぁぁぁい!」

黒尾先輩の両サイドの枕を取って、耳元で叫んでみる。

「うおっ…⁈…っせぇな⁉︎」

「あ!やっと起きた〜!おそよーございます。」

「おそよー。」

ふわぁっと大きなアクビをしながら、黒尾先輩は呑気にこたえた。

「もう!起きてないの、黒尾先輩だけですよー?」

「だって、オレ、低血圧なんだもん。」

「”だもん”て…。かわい子ぶってもダメです!」

「きづなちゃん、つめてぇ!」

「そんなこと言ってないで起きてください!」

わたしは黒尾先輩の肩を揺すり、手を引っ張った。
黒尾先輩が起きる気がなきゃ、引っ張れっこないんだけど…

「おっ♪まーくら♪」

…ぱふっ。

「きゃっ…く…黒尾先輩っ⁈」

突然黒尾先輩がわたしの膝に頭を乗せてくる。

「や、やだ…くすぐったい…黒尾先輩、重いですってばー!」

わたしの頭はもうパニックだった。
ジャージ履いてるけど…黒尾先輩の温もりを身体に感じてしまうから…。

「おまえ、せっかく膝枕すんだから、ショーパン履いてこいよなぁ?あ、ミニスカのが…」

…ペチン!

「いってぇ…」

黒尾先輩のヘンタイ発言に、わたしは間髪入れずに黒尾先輩の複雑な頭にチョップをお見舞いした。

「も〜!いい加減起きてくださいってばー!」

「はぁ…わかったよ。しかたねぇなぁ。…よっと。」


…チュ。


黒尾先輩は軽々と起き上がるとそのままの勢いで…わたしにキスをした。




「おはよ♡」


---End---



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