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〜Petite Story〜

第22章 -メリクリ-(黄瀬涼太)


「ほんっとにドコも行かなくていいんスか?」

「うん。おウチがいいよ。」

今日はきづなっちと初めて一緒に過ごすクリスマス。
豪華なディナーとかイルミネーションとか…普段あまり一緒に出かけたりしていない分、いつもと違うコトをしてあげたかったんスけど、今日もいつものようにきづなっちの家でおウチデートだった。

「でも…」

「りょーたっ‼︎」

むにっ…

「いたっ…痛いってば‼︎きづなっち⁈」

オレが話そうとするときづなっちにホッペをむに〜っと引っ張られた。

「涼太、気にしすぎ‼︎わたしはほんとにおウチデート嬉しいんだよ?今日なんてクリスマスだからって朝からずっと一緒にいてくれてるし。」

きづなっちは今度は引っ張ったオレのホッペを優しく撫でてくれる。

そうすると自然にきづなっちの優しい顔が近づいてくるから…


…チュ。


「りょ…⁈」

そんな顔が近づいてきたら、キスをしたいという衝動を止められるわけがない。

それだけで真っ赤になったきづなっちはますます可愛くて、しばらく啄ばむようなキスを続ける。

最初は真っ赤になって恥ずかしがっていたきづなっちもだんだん惚けたようなとろけた表情になっていき、お互いふと一瞬唇を離した時、きづなっちが口を開いた。

「あのね、涼太?」

「ん?なんスか?」

きづなっちはオレの目をジッと見て続ける。

「わたしね、おウチデートのほうが好きなんだよ?だって…涼太のコト、独り占めできるでしょ?外でももちろん涼太は優しいけど、今は涼太のコトを見てるのはわたしだけだもん。涼太の全部を見るコトができるのはわたしだけって、すごい特別じゃない?」

「きづなっち…」

きづなっちはまた真っ赤になっていた。

「…わたしだけの涼太だもん。」

そう言ってきづなっちはオレの胸にギュッと顔を埋めてくる。
オレは素直にきづなっちのことばが嬉しかった。

「サンタさん…ちゃんときづなっちのトコに来てるっスよね?」

「え?」

「涼太サンタから、黄瀬涼太をきづなっちにプレゼント♪」



ギュ。



オレは想いを込めてきづなっちを抱き締めた。


「きづなっち…大好き。」



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