第6章 -不意打ち-(岩泉一)
「なんで機嫌悪りぃんだよ?」
今日は月曜日。
部活がお休みのはじめくんと、はじめくんのお家でまったりデート。
でも、わたしは拗ねていた。
はじめくんとイチャイチャしたい。
でも、はじめくんはいつも
自分からは何もしてこない。
あ、してくるはしてくるけど。
最初のキッカケはいつもわたしなんだもん。
様子を伺ってるというか…
わたしが嫌がるコトをしないようにしてるのかな…とも思うけど、たまにはわたしだって、不意打ちでキスとかされて、ドキッとしたい。
はじめくんは、わたしをドキッとさせたいとか、思わないのかな。
「べーつにーー」
そういうコトは、わたしが言って、やってもらうんじゃ意味ないし…。
「やっぱ機嫌悪りぃじゃんか。」
1度そんなことが頭をよぎってしまうと、せっかくのはじめくんとのまったり時間なのに、拗ねてばかりになってしまう。時間がもったいない。
でも、プーッと拗ねる気持ちはおさまらない。
「悪くないもん!」
「はぁ…悪りぃだろ?今日…来たくなかったのかよ?」
「来たかったもん!」
ジーッとはじめくんの目を見て、目線で気持ちを訴えてみる。
「いい加減にしろ!」
グイッ…
チュ。
「は…じめ…くん?」
それはわたしが待っていたまさかの不意打ちのキス…
「ど…して…?」
「ったく…おまえが機嫌悪りぃのわかってっけど…ガマンできなかったんだよ…」
ボソボソッと小さい声で言ってくれるはじめくん…。
わたしの胸の高鳴りはおさまらない。
「言いたいコトあんならちゃんと言え‼︎なんで機嫌悪りぃんだよ?」
「治った…」
「は⁈」
「機嫌治った‼︎はじめくん、だーいすき♡」
わたしはそのままギュッとはじめくんに抱きついて、はじめくんにイタズラを開始した。
---End---