第5章 Rule
どれだけの時間が経ったのか…
それすらもう分からない…
三人に代わる代わる貫かれ、感覚の無くなった足だけが武様に揺れる。
「…ん、はぁ…あん、あっ…はっ…ん…」
喉が枯れる程喘ぐ声は掠れ、それでも口の端から零れる声を止められない。
「クッ…出る…!」
俺を穿つ松本の腰が一際強く打ち付けられた。
まるで永遠とも思える時間…
それに終わりを告げたのは、松本が最後の欲を吐き出した時だった。
ありったけの欲を吐き出した松本が、ズルリと俺の中から抜け出すと、脱力したように俺の横に寝転んだ。
「お前、最高だわ…」
荒い息を交えながら、松本がボソリ呟く。
「また頼むぜ? な、大野?」
俺はそれを徐々に遠ざかる意識の下で聞いていた。
力なく投げ出された四肢を動かすことすら、もう出来ない…
散々嬲り倒された身体と、ズタズタに切り裂かれた心の痛みを誤魔化すように、俺は瞼を閉じた。
翔…
会いたいよ…
いくら心を殺したって、お前が俺の中から消えることはない…
なぁ、翔…?
夢の中ならお前に会えるのか?
夢の中なら…
せめて、
夢の中だけでも…
お前に会いたい…
「Rule」完