• テキストサイズ

サファイアと大泥棒と毒を盛った皿と日誌。

第1章 僕?




ごごごご。
がたん、がたん。
ごそごそ。
きーん!
しゅ、しゅ、しゅ。



僕が僕として生まれた時の音。

ふわふわでつるつるの物に包まれて、色んな人が僕を見て目を輝かせる。
笑顔とか、びっくりした顔とか、難しい顔とか。
とにかく色んな顔を見た。

でも、ときどき、真っ暗な中に長い事閉じ込められる事もある。
そうじゃない時は、たくさんの光を浴びて、いい所に座って、みんなの顔を見る。
人の顔って面白いんだ。

色んな眼差しの中に、僕は一つだけ、とても興味を持った眼差しを見つけた。

「ふぅん。こいつぁすげぇや。噂通りの輝き、大きさ。こりゃぁ仕事のかいがあるってもんだねぇ。」

楽しそう?ワクワク?なんだろう。この人の目、顔。
僕、この人気に入った。
もう、飽き飽きしてたんだ。
毎日同じ場所に座って、同じ光を浴びて、色んな人の顔を見て。
ねぇ。
僕をいろんな世界へ連れて行って。

いろんな!せかいへ!!つれていって!!!




/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp