第29章 黒猫と三毛猫、夏の戯れ 2023
「ほら、飲み物。」
ソファーの上で放心状態の私に飲みかけのアイスティーをてつろーさんが差し出す。お礼を言いながら受け取ってそのまま一気に飲むと、てつろーさんはそんな私を見ながらソファーの横に座りコーヒーを飲んだ。
ソファーの上でうつ伏せになり足をぱたぱたさせながら頬に口付けると、いつもより低い目線から笑みを浮かべるてつろーさん。
「何、まだ足りない?」
2人分のペットボトルに蓋を閉めテーブルに置くと、腕を伸ばし鼻先を擦り合わせる。
猫が親しみを表したり甘えたりする仕草。
昔からてつろーさんは私にこれをする。
意味を調べ可愛さに身悶えてからは私もするようになったけれど、無意識にこれをするてつろーさんは私に甘えてくれているんだなって嬉しくなる。
すり、すり、ちゅ。
鼻先を合わせた後は必ずバードキス。
喧嘩した後もこれをされただけで大抵のことは許してしまう…
「んー、今は十分です。」
こちらからも口付け頬を擦り寄らせれば、無防備な脇腹を指でつんと突かれた。
「最初はハダカ見るだけで恥ずかしがってたのに。」
「っ…それは昔の話。」
10年も一緒にいたら初心な反応なんてもう無理。
シャワー浴びたい。そう思い立ちあがろうとすると体を引き寄せられバランスを崩す。
転ぶと思ったけれどそのまま体を引き寄せられて軽い衝撃でてつろーさんの膝の上に落ちた。
「どこ行こうとしてんだよ。」
「シャワー、浴びに…」
背後からガッチリと抱きしめられ身動きが取れなくなれば、体を捩って抵抗する。離れない腕とうなじに触れる唇。動きを止めればそのまま獲物を仕留めるようにうなじを噛まれた。
「1回抜いたら部屋行くって言ったじゃん。まだ終わりじゃねえよ。」
いやいや、無理ですよ。
プールにえっちに、もう満腹。
でもてつろーさんは、私をその気にさせるためにかぷかぷとうなじを齧り、下から持ち上げるように胸を揉みながら胸の突起をくりくりと刺激する。
「んぁ、てつ、」
「こんなにガチガチにした責任、取ってもらうからな。」
お尻に当たるソレは準備万端。
疼いたソコを擦り寄せれば、背後の貴方に視線を飛ばす。
「仕方ないなぁ。…じゃあ、いーっぱい甘やかしてくださいね?」
挑発するような笑みに応えるキス。
ハダカのまま抱き上げられれば、私たちは寝室へと消えていった
end