第26章 そうだ、旅行に行こう。 番外編 R18
ちょっと下心はあった。
飲みたそうに俺のグラスを見つめる美優さんが可愛かったし、いつも酒をセーブして中々酔い潰れない美優さんの酔った姿を見てみたいという気持ちはあった。
飲みやすいからと焼酎を冷酒で飲ませたのは作戦。
冷酒は飲みやすいのはあるけれど体内であったまると一気に酔いがまわるから。
飲みすぎると次の日に差し支えるからと1杯にしたけれどそれでも飲ませすぎたみたいだ。
酔いが回り始めてとろりとした目の美優さんを先にエレベーターホールに向かわせたのだけれど、会計を終えて美優さんを追えば、案の定の千鳥足。
ぐらり、前のめりになった美優さん。
慌てて後ろに回りお腹に手を回し引き寄せると、美優さんは俺の腕に体重を預けた。
「美優さん…?」
『りえーふ?』
美優さんが俺がいる後ろを振り向くと、俺の顔を見てふにゃりと笑いそのまま力尽きた。
寝落ちした美優さんを部屋に運び、2階にあるコンビニで酔いに効くトマトジュースと夜中に起きた時に飲めるようにミネラルウォーターを2本買うと部屋に戻る。
部屋のドアを開けると、早くも目が覚めたらしい美優さんがベッドの淵に座りぼうっとしている。
買ってきたものを冷蔵庫に入れ美優さんに声をかければ、美優さんは俺の方を向きふにゃりと笑う。
「美優さん起きて大丈夫?」
『りえーふー、だいじょーぶだよ?』
いつもよりふにゃふにゃの喋り方。
酔いが冷めてないのが一目瞭然だ。
『ねえねえ、りえーふ。』
どうしたの、そう聞こうと美優さんの方を向いた俺。
ベッドの淵に沿って立っていたはずの俺は、次の瞬間ベッドにダイブしていた。