第22章 椎名美優の数日後 in2018
リエーフの誕生日の日。
私の職場での食事のとき。
リエーフは覚えていないと思うけれど。
私はリエーフに欲情した。
少しお酒が入った色っぽい視線と、デザートを食べる長いしなやかな指。
そして、お店の雰囲気に合わせたワントーン低めの声に、なぜか欲情したの。
いつもは上から優しく降る視線が椅子に腰掛けた分同じくらいの視線になった。
ただそれだけで1度体温が上がった。
『っ…リエーフ。』
外に出て、呼びかけた声が妙に上ずっている。
振り向いたリエーフと目があって、とくん、と胸が高鳴り、
そして、子宮がきゅんとなった。
「みゆ、さん?」
嗚呼、気づかれている。
きっと、私恥ずかしい顔してる。
貴方に、抱かれたいって、訴えてる。
『リエーフ、あのね?』
吐き出す吐息が熱い。
貴方に触れたくて、そっと手を掴む。
『はやく、家、帰りたい。』
驚きで見開かれた瞳。
深い緑に耐えきれず、視線を下に下げればむき出しの耳にふわり、吐息。
「家に帰って、何するの?」
わかってる。
リエーフ、わかってる。
でも、言わなきゃ。
体の疼きをなんとかして欲しいから。
『えっち…しよ?』