第1章 新しい闇
彼女は殺し屋、名前は
彼女は最大の危機に陥っていた。
は、ある殺し屋の組織の幹部クラスにいる。
今日はボスの命令で、1つの組織を潰すと言う仕事をやり遂げた。
1人で殺れと言う、無謀にも思える話しだったが、
彼女にはそれが当たり前の日常だった。
それほど腕の立つが、何故窮地に立たされたのか
それは、仕事をやり遂げた後の話しだ。
血に塗れた彼女は、月明かりしかない寂しい道を歩いて
組織に戻ろうとしていた。
その時だった、何やら殺気を感じる。
4~5人位だろか、明らかに堅気ではない男達の姿を確認する。
すかさずは戦闘態勢を取った。
の武器は銃ではない。
チャイナドレスに、両方スリットの入った戦闘服。
右腿には何本かのナイフ、左腿には2本の中型のナイフが装着してある。
先の戦いでナイフの残りはなかった。
回収する筈もない。
中型の2本のナイフを両手に持ち、は男達に向って行った。
1人、2人、3人と確実に相手の喉笛を切り裂く
男達の悲鳴すら許さない位に素早く的確に。
最後の1人に止めを指し、終わったとナイフを仕舞おうとしたその瞬間
それは足音も気配もなく襲って来た。
は疲れもあり油断していたのだろうか、
彼女にとって普段は有り得ない事だっだが・・・・・
『グッッ・・・・・!』
の呻き声が月に木霊する。
は相手の攻撃を頭に受けてしまった。
頭が痛い、クラクラする。
攻撃は頭を始めとして各部位に受ける。
ほとんど意識の無くなったは右手に中型ナイフを持ち
夢中で投げた。
何処に当たったのだろうか、相手の小さい呻き声が聴こえた気がした。
とにかく逃げなければ。
気付けばは路地裏に追い詰められていた
『マズイ、ここは確か松野ファミリーの・・・・・』
そう思った次の瞬間、
の頭に再び衝撃が走り、
の意識は完全に消え去った。
の倒れた場所、
それは路地裏の片隅だった・・・・