第60章 ぶつかる時間
「(殺す気できな。渚。自分の意見を通したいならね。)」
「(当たり前だよ。本気だし。)」
「(お互い……頑張ろ。)」
「(……!!……もちろん)」
結衣と渚の言葉にはしない会話が分かった気がするよ。結衣にとってはこの選択は困難だったも知れない。
幼馴染みの渚君をとるか……
彼氏の俺をとるか……どっちを取っても傷つけるかも知れないからね……。
でも、俺は……殺したい。
それが許されている教室なんだから……
「……え……嘘……こんなときに……」
その事で精一杯で、結衣の声を……聞けてなかった。