第57章 正体の時間(2)
「手段はひとつ、戦いながら引き抜きます。彼女の…というより触手の殺意を叶えるため。
先生は敢えて最大の急所を突かせます ネクタイの下に位置する心臓……ここを完全に破壊されれば先生の命は終わりますので、触手が先生の心臓に深々と刺さり、やったという手応えを感じさせれば…少なくとも”触手の殺意”は一瞬弱まる。
その瞬間、君達の誰かが…茅野さんの殺意を忘れさせる事をして下さい!!」
「…どうやって?」
「方法は何でもいい 思わず暗さつから考えが逸れる何かです。これだけは先生にはできません。
対象からふざけた事をされたところで更に膨らむだけ 寺坂君がイトナ君にやったように君達の手で彼女の殺意を弱めれば、一瞬だけですが触手と彼女の結合が離れ 最小限のダメージで触手を抜けるかもしれない。」
「…その間ずっと先生の心臓に茅野の触手が? それじゃ先生が先に…」
「上手いこと位置をズラすつもりですが…まあ先生の生存は五分五分でしょう」
「五分って…そんな」
「でもね、クラス全員が無事に卒業できない事は…先生にとっては死ぬ事よりも嫌なんです!」
あかりんの猛攻が更に激しくなった。
「うっ!!分身が保てなくなってきました。ここからは触手への対応に専念します!
30秒ほど経ったら決行します!!とびきりのやつをお願いしますよ!!」