第51章 文化祭の時間(2)
「……すごいね。観察眼」
「すごくねーよ。いやらしい環境が育てた望まぬ才能だ。」
「……言う通りだよ。うそついてた。僕もね。この外見は子供の頃から仕方なくでさ、ずっと嫌だった」
「?……僕?」
「……けど……望まぬ才能でも、人の役に立てば自信になるって最近わかった。だから今はそこまで嫌いじゃない。ごめんね。僕、男だよ」
「……またまたァ~」
「ほんと」
「……またまたァ~」
「ほんとだってば!!ね?結衣!!」
え?私??
「うん。そーだよ。渚は男。幼馴染みの私が言うんだもん。渚はこー見えて、男なの。」
「……ウソついてる顔に見える?」
「……マジかよ…」
「欠点や弱点も裏返せば武器にできる。この教室で学んできたのはそういう殺り方で、この出店もその殺り方で作られていて、今日ここにいる人達は…皆暗殺(それ)が縁で集まってるんだ。殺意(こころ)が踊ってすごい楽しいんだよ」と笑う
あ、で、でも 騙してたんだし飲食代は返すから……」
と自分の財布を取り出す。律儀だな。渚は……
「いいよ。なんか自分がアホらしく思えてきた。帰るわ」
と去っていった。あー、疲れた。
特になにもしてないけどね~
「あれ?もう帰っちゃったの?コスプレ撮影会で金とろうと思ってたのに……」
「カルマ君は僕でいくら稼ぐつもり!?」
「カルマ!私のangelをいじめないで!!私を見捨てたくせに!!」
「ごめんごめん!でも、儲かりそうだったじゃん。」
「それに、結衣!演技上手かったね~。」
……まぁーね?ある程度演技しているしね……。
カルマといるときは……ほんとの自分だけどね~。