第49章 渚の時間(2)
「担任として最も大切にしている事は?」
「…そうですね……あえて言うなら『一体感』ですわお母様」
「あーそれっぽいじゃん」
「じゃあ、うちの渚にはどういった指導方針を?」
「まず渚君には、キスで安易に舌を使わないよう指導しています。」
片岡さんはコケ、渚は青ざめている……
そして私も……青ざめている……。
「まず唇の力を抜いて数度合わせているうちに…相手の唇からも緊張感が消え柔らかくなります。密着度が上がり、どちらがどちらの唇かもわからなくなってきたころ…『一体感』を崩さないようそっと舌を忍ばせるのです」
「my angelに何をしてるんだぁぁ!!!!この、糞ビッチ!!」
「結衣が……ビッチって……」
わーーん。私のangelに!!何て教育を!!
「問題外だ」
「訴えられッぞ こんな痴女担任」
「ていうか、E組って名目上の担任は烏間先生だよね。うちの親も三者面談希望したけど…その時は烏間先生がやってくれたし。統一しないと親同士で話が合わなくなっちゃうよ。」