第49章 渚の時間(2)
「結衣は……暗殺の才能を……このまま、活かして……殺し屋になるの?」
「……殺し屋?なんないよ~。危ないしね。誰かの役に立つものになりたいな~。ぶっちゃけまだ言えないけど、なりたいものあるしね~。」
「え?何?」
「……秘密~。いつか知るときが来るよ~。」
結衣はいつもそうだ……。
何かやり遂げてから人に話す。それまでは……
誰にも言わない。そんな結衣だから……
守りたいとか思うんだよね。
「そっか。」
「渚も自分の人生なんだから、親のコンプレックスのレールなんか通らなくていいんだよ。渚の道を進んでね!きっとそこには、答えが見つかるから~…結衣?誰と電話?……渚~。my angelだよ~。」
my……angel???
「あ、夜遅くにごめんね?」
「全然!じゃー、この事は誰にも言わないからね~。自分の口から言う方がいいでしょー?」
「う……うん。まぁ。」
「じゃー、また明日ねー?おやすみ~」
「おやすみ。結衣。また明日。」
電話を切ると……睡魔が襲ってきた。