第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「太宰、谷崎」
国木田が云うと2人は頷き、走って出ていく。
「あ、待って下さい!僕も行きます!」
それに新八が続いていった。
谷崎と分かれて情報収集に中る。
「やあオジさん!今日、ヤオミちゃん来たかい?」
「おお。探偵社の!来たよーもう一人別嬪さんと一緒にな!」
何時もの馴染みのお茶屋さん。
「お茶の後にも御使いを頼んでいてね。どっちの方向に向かったか分かるかい?」
「お茶請け買うって云ってたな!此方に行ってたよ」
指した方角をチラリと見て。
「有難うー」
笑顔でお礼を述べた。
云われた方向を歩いていく。
「やっぱり誘拐ですかね……」
「うーん。今の時点では何とも云えないけど恐らくはね」
太宰は前だけを向いてサラリと答える。
「姉上に何かあったらっ……!」
「新八君はお姉さん思いだね」
「たった一人の家族なんで」
「そう……」
急に立ち止まる太宰。
「新八君」
「はい」
「君がお姉さん思いなのはよく判った。それを踏まえて答えてくれ給え」
「……はい」
声のトーンが急に低いものになり、新八も顔を強張らせる。
「若し、帰る術が見付かったとしてだ」
「はい」
「帰るチャンスが一回しかない時に、君のお姉さんが『帰りたくない』と言い出したら」
「え……」
真剣な表情で問う太宰。
その目は来たる未来が見えているのか。
そう思わせるほどの鋭さと光を備えている。
新八は問われた理由に心当たりがあった。
毎日見ていれば判る。
姉である妙が、太宰に惹かれているのではないかと云う言動をする様になったのだ。
「君は一体、どのような行動をする?」
「………僕は………」
少し戸惑う。
しかし、新八の答えは決まっていた。
「僕は――――」
その答えをハッキリと。
真剣な表情で返した。
その答えを聞いて太宰はフッと笑った。
そして
「私も君に告げなければいけない事がある」
「!」
太宰はゆっくりとした口調で新八に話始めた――。