第7章 陽の当たる場所
―――次のニュースです。横浜市在中の○◎さん15歳が現在行方不明となっています。此れで8人目の行方不明者となり、警察は捜査本部を設置し捜査に―――
プツンッ
国木田がラジオを切る。
「また被害者が出た。今度は15歳男性。」
「然し、此処まで被害者の共通点が無いとなるとね。」
「打つ手なしか。」
国木田と太宰が神妙な面持ちで話す。
「たった2週間で8人とはな。」
国木田が頭を抱える。
「乱歩さんは?」
「今は殺人事件の依頼を片っ端から熟している。昨日の様に行方不明者が混ざっていないかの確認を兼ねてな。」
「そう。」
「?お前、体調でも悪いのか?何時もの覇気が無いが。」
「別に?何時も通りだよ。」
笑って答えると国木田はそうか。と納得し、立ち上がる。
「矢張り、情報が少ない。聴き込みに行くぞ、太宰。」
「了解。」
太宰はポケットの中の電話を一度だけ確認して直ぐに仕舞った。
嫌な予感がする――。
そう思いながら、直ぐに国木田の後を追って部屋から出た。