第13章 平和な日常へ
恵土「雄英体育祭…
それは、文字通り雄英の体育祭。
開催時期は4月。
個性社会の現在において、「スポーツの祭典」であるオリンピックはすでに衰退・形骸化してしまっており
日本においては「雄英体育祭」が、かつての「オリンピック」に変わるスポーツの祭典として楽しまれている。
全国ネットで中継されており
プロヒーローもスカウト目的で注目している
一高校の体育祭という規模を超えた日本のビッグイベント。
システムは、まず学年ごとにサポート科・経営科・普通科・ヒーロー科
全ての科が一緒になり、各種競技の予選を行い
勝ち抜いた生徒が本戦で競うという学年別総当たり形式となっている。
学生的にはプロヒーローや
サポート会社へのアピールがメインなので
それらと無縁の経営科はぶっちゃけ暇。
また、注目がどうしてもヒーロー科に集まるので
普通科の中にはモチベーションが上がらない者も多いらしい。
って感じ?
お父さんから昔聴いた」
『細かいわ!!;
(よく覚えてたな、そんな長いセリフ;』
相澤「まあ概略するとそんな感じだな」
切島「待って待って!;
ヴィランに侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?;」
相澤「逆に開催することで
雄英の危機管理体制が盤石だと示す…って考えらしい。
警備は例年の5倍に強化するそうだ。
何より雄英(うち)の体育祭は『最大のチャンス』。
ヴィランごときで中止していい催しじゃねえ」
恵土「1年2年3年…計3回しかチャンスないしね」
上鳴「資格習得後(卒業後)はプロ事務所に
サイドキック(相棒)入りが定石(セオリー)だもんな(微笑」
耳郎「そっから独立しそびれて万年サイドキックってのも多いんだよね。
上鳴、あんたそうなりそう。あほだし」
上鳴「くっ!!;」
相澤「当然、名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。
時間は有限。
プロに見込まれれば、その場で将来が拓けるわけだ。
年に1回…
計3回だけのチャンス。
ヒーロー志すなら、絶対に外せないイベントだ!」
恵土「お父さん、それで優勝したっけ。計3回」
相澤「ああ。俺等の担任だったな」
『マジで!!??;』
そんな説明をしてから、ホームルームは終わり
驚く皆を置いて、私は保健室に移動した。