第12章 各々の胸に
恵土「たった一人で、利用されるだけなんて…
そんなのっ
そんなの、辛いだけじゃんか!!;
個性は、確かにその身に宿ったものだ。
生まれ持った時点で、私のものだってことかもしれない。
でもよ…
こいつは、意思を持ってるんだ!!
自分ってもんを!
ちゃんと持ってんだ!!
ずっとずっと…
何億年も、話せないままでい続けてきたんだ!
一人で、それでも頑張って生きてきたんだ!!;;
それなのに…
それなのに!
いいように使うなんてこと、出来るかよ!!
バカヤローッ!!!;;」
視ていて欲しいことを…
視ようとしてくれた。
同じ立場に立とうと
何よりも、寄り添おうとしてくれた。
「!」
恵土「そうだろ!?
相棒!!」
俺のために、涙を流しながら…
叫んでくれた。
恵土/力「『だから私/俺は!!
お前に、生きてて欲しい!!!
幸せを、知って欲しいから!!!!』」
そんな時だった。
変化が現れたのは…
想い、出した。
あの時、消滅する前に
神が、俺に望んでいたことを……
神『お願い。
この世界を護って。
私は、もう消えてしまうから。
それでも…
この世界を、消したくなんかはないから。
だからお願い。
生きて―』
力『お前が、神とそっくりすぎるんだよ。
バカッ;(涙)
だから、生きてて欲しいんだ。
だから…お前が、大切なんだ!!!!』
恵土「生きること、望んでもいいんだ―//(ぱあ」
そう微笑みながらも、涙を流す姿は…
どっちもどっちだった。
互いに、互いを求めていた。
「『お前が、必要なんだ(微笑』」
差し出される左手、差し出す右手…
その2つが重なった時……
想いも、気持ちも―
重なり合った瞬間――
その直後、全てが光に包まれた。
そして…
細胞が耐えられるように、力をもととして置き換えられた。
だが、それまでに
神の力にあてられたことで減った寿命までは戻せなかった。
残りの寿命…
それから護るのが、俺の役目だと勝手に思っている。
あの時、あの日を持って…
俺は、救われた。生きようと想った。
一人の、『力も生きている』と人扱いする相棒によって―