第1章 出会い
餌に群がる猫たち。
広がる沈黙。
ーーーーーどうしよう、猫語とか話してんの聞かれちゃったよ。しかもどのタイミングで帰ろう、いやここはなにか話しかけるべき?でもさっき無視されたし。しかもなんかこの人の雰囲気やばいよ目がやばい!でもこうやって猫に餌あげてるんだしいい人なのかな?・・・
餌に群がる猫たち見つめながらぎゅっと拳を握り頭の中で自問自答を繰り返す。
猫たちが餌を食べる音がやたらと響いてくる。
とうとう沈黙に耐えきれなくなった私は、
「ね、猫の餌って、おいしそうですよねっ!」
咄嗟に出た言葉がこれだった。
待って私なに言ってるの!?もっと他に『猫好きなんですか?』とかいろいろあるじゃん!なんで普通のこと言えないのよ私!!