第9章 其ノ捌
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は
竜田の川の錦なりけり
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首元に、刀が触れそうになり思わず男の方へと頭を引くと顎を傾けられて首筋を舐められた。
臭い…気持ち悪い…
二『う… あ… やめ…ろ
気持ち悪い……』
やだーーー
兄上ーーー
すると、影丸さんは刀を捨てその場にひざをついた。
国『やめろ! 頼む! 話合おう…』
『ははっ… そんなもの…すーー』
する訳ない- 男が言いかけたその次の瞬間地を叩くような音と共に
辺りが白煙に包まれ何も見えなくなり自分の体が抱えられて宙へと浮かび上がった。