第25章 三・其ノ肆
そう話をしていたそばから父親が倒れてしまい、結衣の結婚を取り急ぎ行うことになり、皆を呼び戻す運びとなった。
智『父上にとってはいつまでも迷惑ばかりかける息子だったと………その上、こんな状況になってこんな事を言うのは不謹慎であるが
そう思っておりながらもどうしてもやはり和也に会える事がほんに嬉しいのだ。
それでは頼んだぞ。』
侑『承知致しました。 大丈夫ですよ。私は何があっても智様のお考えと共にありますゆえ。
それに、和也殿の事も私は大好きですから。』
そう言ってくしゃりと笑う顔が可愛くて思わず侑李の身体を抱きしめたのだった。
智『ありがとう。 私も大好きだ。侑李。』
侑『……智様////。 では、行ってまいります。』
これだから兄上は……と、去り際に小さなため息をはいた事に本人は全く気づく事はないのだった。