第3章 其ノ弐
弟の和也が、自分に対して思っている気持ちに気がついたのはちょうど一年程前だっただろうか。
大『安心しなさい。 私にもその気はないと いう事だ…』
もう何度目かの見合いの相手…。
今回の相手は今までで一番美しいが中身は些か評判の難ありな女。
勿論、世継ぎを作るという事だけを考えるなら相手なんて誰だっていい…
松『智様。 また和也殿の事… お悩
みでございますか?』
大『おわっ! 何だ……潤か。
またいつの間に。』
部屋で一人あぐらをかいて無心になる時間が好きだが、いつも気がつくと横に
松本がいて共にあぐらをかいて座禅をしている。
松『ある意味無心にはなれているようですね。
私が来てもいつも十分ほど全く気がつかれませんからね』