第23章 三・其の弐
月見ればちぢにものこそ悲しけれ
わが身ひとつの秋にはあらねど
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母『智っ、……智っ………』
智『………んく……っ……… 父上……… 母上も…………
っ、……和也は? いずこへ……おりますかっ?』
父『……っ、あいつなら翔を追わせに追いやった。
今はそんな心配しないでよいから……』
そう言って起き上がろうとする智の身体を抑えてつけるようにして寝かせる。
智『しかしっ………父上っ……… このような事態になってしまったのは全て私にございますっ………ですから
もしあの二人に何かするおつもりでしたら………
全ての処罰はこの私に………どうか…………っ』
言葉に詰まりながら頭を下げて、必死にそう訴えかける。