第22章 三・其ノ壱
屋敷を飛び出したもののどちらへ向かえば良いのかも分からず、項垂れた。
国『和也殿っ! こちらへっ……』
二『影丸っ! 健殿っ……』
馬を走らせながらに影丸に手を引かれ後ろへと飛び乗った。
国『和也殿。……智様は……。』
そういうと、背中に頭をもたれて只首を横に振った。
三『とにかく、今は… 剛に東山先生を迎えに行ってもらっておる。
そろそろ、戻っておる頃だろう。』
二『二人は大変な時に巻き込んでしまったな。
本当に申し訳ない……』
そう言って和也が頭を下げると、少しの間があったが
いいやと健もまた首を横に振った。