第22章 三・其ノ壱
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば
忍ぶることの弱りもぞする
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父『こっ ………れは一体 どういう事なんだ!
おいっ!和也っ!』
母『智っ………!』
帰ってきた両親が着く時には報告は受けていたが来るなり、父上は和也に掴みかかり母上はぐったりと布団に横たわる智の元へと駆け寄り抱きしめる。
二『これは……… 私をかば………って………私のせい……で』
父『……奴は、 翔は何処へ行ったのだ』
二『…はい。 奴は今……才蔵と佐助が後をおっておりますゆえ……すぐに……』
父『もうお前の涙はよいっ! ここはもういいからお前も追って
奴をすぐに此処へ連れてまいれ。』
今までに見たことのない父上の剣幕に流れ落ちる涙を強く拭って只うなずいて部屋を飛び出した。