第17章 二・其ノ陸
三『いやいや…真田殿。 とりあえずそれはお納め
くださいませ。 』
少し焦った様子で健がそう言うと
大『うむ…まあ、よい。 とりあえず家へきなさい。
話はそれからだ。』
あっさりと引きかけた刀を鞘に戻すと、そう言う智に驚いたように二人顔を合わせる。
二『よろしいのですか? またそんな簡単に………
といっても兄上はそういう人ですね』
そう言って、翔を拾って来たときの事を思い出しながら呆れた目を向ける。
森『そちらの噂も…本当だったようですね? 真田の
長兄は超(バカ)がつくほどのお人好しだと……』
三『おい。 やめないか。 ようやく二人ともと
再会できる時。余計な事を言うのではない。』
そうして戻ってきたシゲアキ、侑李と共にまた終始やいやいといいながら真田の家へと向かった。