第17章 二・其ノ陸
大『二人おるぞっ! 和也っ…… 相手の気を
とらえるのだっ 』
二『はいっ! 兄上』
小さくそう答えると神経をそれだけに集中させて
二本の刀を構える。
-シャーン シャーキーン
山の中に四人の刀の合わさる音がこだました。
『お主…、その剱の構えは…もしや影丸の…
剛やめ。』
『だったら、なおのことだ! 俺はアイツが
嫌いなんだ』
影丸の名前を出してきた方が刀を降ろしても剛と呼ばれた方は尚も智に向かってきたが、すぐに智の刀によって剱を弾かれてザザーっと砂埃をあげながら地についた。
『おい、大丈夫か。 清海。 そもそもの目的を忘れるな。
二人を連れかえらねばならないんだからな。』