第17章 二・其ノ陸
大『和也は、ほらそこだ… 昔から船は苦手であったが… やはり大人になって治るというものではないのだな。』
加『ああ。 そういえばそうでしたね。
大丈夫でございますか?和也様』
二『ああ…… 大丈夫では……ないが おシゲ、
その魚の手で背中を撫でるのはやめなさい。』
船酔いで影に隠れるようにうずくまる和也の元に加藤が駆け寄ると背中をさすって心配してくれる。
大『大丈夫か?和也。 あまりにしんどいようなら
侑李も大物釣ってくれたし、帰っても良いのだぞ。』
二『そんなっ…。 私の事は気にせず…
少し休んでいれば大丈夫にございますゆえ。せめて、兄上がお釣りになるまでは』