第17章 二・其ノ陸
すっかり仲良くなった様子で、親子のように並んで釣りをする様子を反対側から見ながら自分たちも水面に針を落とした。
二『すっかり仲良くなって。 やはりこうして見ていると子供は可愛いものですね…』
大『そうだな。』
そのあとは二人とも黙って四人静かに釣りに専念していると、一番に声を上げたのは侑李だった。
知『うわぁ…… おシゲたんっ 』
身体ごと持っていかれそうな大物にあわてて加藤が駆け寄ると抱きしめるようにして一緒にルアーを巻き上げる。
加『きた! 凄いぞっ 侑李殿っ これはまた
大物だぞ。』
知『やった~! しゃとにいかじゅにい! 見ててくれた?
ボクがまた一番だよ!』
大『凄いぞっ侑李っ ほらっおいで』
そう言って智が両手を広げて抱擁を求めると、嬉しそうに駆けていって胸の中へと飛び込んだ。
知『あれ? かじゅにい…は?どしたの?』