第14章 二・其ノ参
恋すてふわが名はまだき立ちにけり
人知れずこそ思ひそめしか
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徳川から出て、影丸との待ち合わせ場所までの道で俺は襲われた。
自分では剣術、武術共に自信を持っていたが、その屈強な男たちの前には歯が立たず…
感じたことのない痛みと薄れる意識の中で何度も男たちが代わる代わる俺の身体へと侵入しては掻き乱していった。
『おいっ… 大丈夫かっ… まだ息はあるな』
どのくらいの時間がたったのだろうか…
影丸……では……ないな…
『…………され』
私の事は…放っておいてくだされ…
言葉にもならないほどの声でそう言うと、その二人は何か言い争う様子だったが、
男は、俺の身体をそっと抱きしめるようにして後ろ傷を確認した。
な……ぜ……
もう声にはならず、俺はそこで再び意識を手放したのだった。