第3章 残暑
あぁ・・・なんか、こうしてたらイっちゃいそう。
啓太は香苗を引きはがし、その顔に笑いかける。
いいですか?
言わなくても啓太の言いたい事は伝わった香苗は、大人しくベッドに横たわった。
啓太は腕を伸ばし、ベッド脇の棚からコンドームの箱を取り出す。
妙にカラフルな包みをペリッと破いて、薄いゴムの裏表を間違えないよう、慎重に装着する。
そんな啓太の背中に香苗がきゅっとしがみついた。
「どうしました?」
「んー・・・いや、なんか。」
ぐりぐりと頭をすり寄せる香苗。
「付けてるとこって見ちゃいけない気がしてさー。」
その言葉を受けて、ははっと笑う啓太。
意外と可愛い事言うじゃないか。
「確かに見られるのは恥ずかしいかも。」
しっかり装着し、くるりと身を翻し香苗さんと向き合った。