第21章 過ぎ去りし時 ー秀吉ー
後ろから抱きしめられて温もりに包まれていると、思い出したように秀吉さんが話し出した。
「そういえば、昨日はやばかった。」
「昨日?」
なんだっけ。
「おやすみの口づけ。」
あー。
「おまえが可愛すぎて、すごく興奮した。
手を出してしまいそうで慌てて帰した。
悪かったな。」
だから、あんな部屋から押し出すように帰されたんだ……。
身体を疼かせていたのは私だけじゃなかったと知って、嬉しくもあり、ちょっと気恥ずかしい。
話題変えよう。
「お団子食べませんか?」
「なんだ、まだ愛され足りないのか?」
「え、ちがっそういう意味じゃ……っ 」
慌てて否定すると、身体をくるりと反転させられ、もう一度秀吉さんに組み敷かれた。
「俺は足りないぞ。」
再び熱を宿した瞳に見つめられる。
まだまだ夜は終わらなそうだ……。
2016.11.05 up