第1章 Guess what!〜及川徹〜
汗だく。
泥々。
何したの、ってくらい汚れてる。
…雨の日の廊下走ったから、
転んだのかもしれない。
なんて、冷静に考えたりしてる。
「あんず、君はホント、
何してんのかなぁ!?」
貯水タンクに凭れて、王子様を
ぼんやりと見つめていたのだけれど、
彼はとても怒っていた。
「風邪引くだろ?!」
寒さで感覚を失くした脚に気づいて、
私を横抱きで持ち上げる。
「……王子様、ですね」
「何言ってんの。バカ?」
「独り言」
Guess what!
訳:ねぇ、聞いて!
聞こえなかったはずの声に
気づいてくれた。
助けてくれた。
やっぱり私は、あなたじゃないと
ダメ…
なのかも?