第2章 彼女の素顔
「おはよー。莉緒ちゃん昨日寝顔可愛かったよ。」
「は?」
翌朝、食堂で莉緒ちゃんと会い、昨日の話をした。俺に寝顔を見られた事を知り、莉緒ちゃんは朝から不機嫌そうだった。弄るネタがあって、俺は面白かったけど。
「あ、国見、金田一、昨日はごめんね。金田一の布団占拠しちゃって。」
「あ、う、あ、や、大丈夫です!」
昨日の事を思い出してか、金田一は顔を真っ赤にしてる。
「全然大丈夫ですよ。なんなら今日は最後まで一緒に寝てもいいですし。」
「こら、国見ちゃん何言ってんの!」
冗談とも本気とも取れないようないつもの調子で話す国見ちゃんの頭を叩いた。
「お陰で、俺のロック画面、可愛い写真になったんで。」
そう言って携帯のロック画面には、莉緒ちゃんの可愛い寝顔の写真。
「ちょ、何勝手に撮ってんのよ!消してよ!」
国見ちゃんの携帯を取り上げようとするけど、国見ちゃんは携帯を取られまいと、手を挙げ、抵抗した。莉緒ちゃんの身長じゃ国見ちゃんに届く訳もなく、莉緒ちゃんは国見ちゃんにしがみついて、必死に手を伸ばすけど、無意味でしかなかった。携帯を取るためにぴったり国見ちゃんにくっつく莉緒ちゃん。それを楽しむ国見ちゃん。その光景にイラッとしたので、
「国見ちゃん今日ロードワーク皆の三倍ねー。」
「げ。」
一瞬腕が下がったのを見逃さなかった莉緒ちゃんは、国見ちゃんから携帯を、取り上げた。
「ああ!もう!ロックナンバー教えてよー!」
ロックがかかっていたみたいで、必死にロックを解除しようとしてたけど、結局朝食の時間、ロックは解除出来なかったようだった。