第24章 【番外編】似たもの同士の出逢い(京谷賢太郎)
「俺、部活戻るわ。」
そう言うと、莉緒は嬉しそうな顔をして、今度会う時は大会で、違うコートだね。なんて言っていた。
バレーにひたむきで、懸命な莉緒を見ていたら、再びあのコートに戻ってもいいかもしれないと思った。多分コイツと出逢わなければ、俺は高校三年間、チームメイトと向き合う機会を持たなかった。いや、向き合うつもりは更々ねえが、インターハイも終わったし、うるせえ先輩どもも引退してるだろうし。
「賢太郎、頑張れ。」
「…おう。」
部活に戻る為に背中を押してくれた莉緒。最初はいけすかねえ奴だと思ったが、関わるうちにそんな印象は消えた。コイツが俺の背中を押してくれたように、莉緒が困った時や悩んだ時は力になってやりたいと、柄にも無く思った。