第13章 恋、気付く時(岩泉視点)
「前の試合白鳥沢があと五点です。」
「行くか。」
「うっす。」
「烏野・和久南は長引きそうな感じになってます。」
他校生のそんな言葉が聞こえた。
「主将が居ない烏野はどうなってるかね。」
「目立つスーパーレシーブだけが良レシーブじゃないからねぇ…今まで当然の様に上がっていた球が上がらなくなるとすればそういうのは地味にじわじわと効いてくる。それを実感してる頃?」
伊達工との試合、莉緒の件もあって余計負ける訳にはいかない。まあ、莉緒の事がなくたって、負けるつもりなんてねえが。そんな事を考えていると試合開始のホイッスルが鳴った。