• テキストサイズ

【HQ】Egoist

第1章 最低最悪な彼女


 休み時間も残り少なかったので、俺は岩ちゃんから教科書を借り、五組の教室を出た。教室を出る時、チラッと岩ちゃんの方を見ると、俺に向ける冷ややかな表情とはうって変わって、笑顔。さては、照れてるな!まあ、また教科書返しに来る時に莉緒ちゃんとはじっくり話すとしよう。そんな事を思いながら教室に戻った。

 授業中、彼女の事を思い出してみるけど、岩ちゃんに名前を言われるまで、全然ピンとこなかった。確か小学四年の時も中途半端な時期に引っ越してきて、その時は何となく可愛いかな?くらいで目立ってた訳でもなかった。明るいっていうよりはどちらかというと大人しい方で、あんな冷たい感じでもなかった。俺も岩ちゃんも、莉緒ちゃんとは別に仲がいいって感じでもなかった。岩ちゃんと莉緒ちゃんの家が近かったから、たまに一緒にバレーをした位だったと思うんだけど、妙に岩ちゃんなべったりな莉緒ちゃん。まあ、久しぶりの再会で、同じクラスってのもあるからなのかもしれないけどさ、そらならクラスは違うけど、俺とだって久しぶりの再会で、「及川君、昔もかっこよかったけど、もっとかっこよくなったね。」とかあってもいいはずなのに。




/ 330ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp