第11章 恋、気付く時
荷物も運び終わり、莉緒ちゃんの安全を確保し、岩ちゃんとトイレに向かった。すると、トイレの前で挙動不審な動きをするおチビちゃんを見つけた。
「何してんの?」
「だっっっ」
だ?よくわからない奇声を発するおチビちゃんに岩ちゃんが声をかけた。
「二m倒して来たんだってな?さすがだ。」
「ハイッ!!イイエッ!」
「どっちだよ。」
「試合になるとこのチビちゃんホント厄介だから今のうちにどっか埋めちゃう?」
「しっ失礼しますっ!」
慌てて走り出したおチビちゃんは誰かにぶつかった。────牛若だ。
「…ヒナタショウヨウ──と及川・岩泉か。」
「何このタイミング。」
「知るか。」
「…お前達には高校最後の大会か。健闘を祈る。」
「ホンッット腹立つッ!!」
「全国行くんだからまだ最後じゃねぇんだよ。」
「…?全国へ行ける代表枠は一つだが?」
イヤミで言ってるんじゃねえのが余計腹立つ…!
「勝つのは烏野でヒイッ!」
烏野の十番を睨みつけると、また変な奇声を発した。
「あ…いや…えーっと、ヒョエッ!?」
そして今度は伊達工の選手にぶつかった。次から次へと現れるライバル校達。
「誰だろうと受けて立つ。」
────今年こそお前を倒して全国に行くのは俺達青城だ。