第2章 彼女の素顔
岩ちゃんに口止めされてから数日、莉緒ちゃんは相変わらず俺と男子ギャラリー達には相変わらず無愛想で、噂を聞きつけてか、放課後は他校生が校門で出待ち。莉緒ちゃん見たさに、練習試合の申し出が急増。元々練習試合を組んでいた所以外のものは監督が全て断っていた。
練習試合でも、相手チームに可愛いだなんだと色々言われてた。莉緒ちゃんが一人になろうものなら、直ぐに誰かが声を掛けようとするから、練習試合の時も常に部員の誰かと一緒に行動するようにしていたが、それに対して莉緒ちゃんはやはり不満そうだった。
こんなのが、今までもずっとあったんだよな。転校してくる前も、こうやって周りに守られてたのかな?それとも…その先を考えるのはやめた。
「及川、今日まだ残んの?」
「うん、今日練習試合だけだったからいつもより早く終わったしね。」
「なら、俺も残るか。スパイク練付き合えよ。」
「及川と岩泉残んのー?
なら俺ももうちょいやろっかなー。」
そう言ってマッキーとまっつんも体育館に戻ってきた。
てか、岩ちゃんが練習残るなら莉緒ちゃんどうすんの?って、言おうと思ったら、莉緒ちゃんは金田一と一緒にいて、ああ、今日ほ金田一が送ってくのね、って思ったのに、
「莉緒ちゃん、3対3やらない?」
口が勝手に動いた。何言ってんだよ、って目で岩ちゃんから見られた。いや、ほんとに全く、その通り。
「…私もやっていいの?」
返ってきたのは予想外の返事だった。