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【HQ】Egoist

第7章 交わる想い


 あの後、怒る岩ちゃんを莉緒ちゃんが宥め、三人で駅へと向かった。
 別れ際に四宮さんから、「アンタも頑張んなさいよ。私はどっちかっていうと、及川の味方だから。岩泉ムカつくし。」なんて言われたけど、その言葉の意味が分からなかった。

 三人で電車に乗り、電車を降りると、マッキーとまっつんが待っていた。岩ちゃんを止め、電車が発車した後、どれだけ大変だったか耳が痛くなるほど聞かされた。そのお詫びということで、五人でラーメンを食べに行った。皆が笑う中、岩ちゃんだけが、少し元気のないように思えた。


「岩ちゃんどうしたの?便秘?」


 なんて冗談を言ってみると、また頭を握り潰されるんじゃないかって位の力で後頭部を掴まれた。うん、いつも通りの岩ちゃんだ。

 食事を済ませ、俺の財布は見事にすっからかん。


「ちょっとは遠慮してよね!」
「訳もわからず岩泉を押さえた俺らの身になってみろよ!まだ少ないくらいだぞ!」
「そうそう。」
「及川が莉緒ちゃん連れて出てった後の岩泉の怒りっかたつったら尋常じゃなかったんだぞ。」
「だから、すっごく感謝してるって!」


 莉緒ちゃんと少し先を歩く岩ちゃんを見て、マッキーが呟いた。


「なあ、岩泉って、莉緒ちゃんの事好きなのかな?お前らどう思う?」
「岩泉に聞いてみれば?」
「俺まだ死にたくねーし。及川聞いてこいよ。」
「やだよ。絶対殴られるもん。」


 岩ちゃんは、莉緒ちゃんの事を好きだというのは分かる。でも、それが恋愛対象としての好きなのかは微妙な気がした。どちらかというと、家族愛とかそんな風に見える。岩ちゃんに妹がいたらあんな感じなのかな、って。まあ、本当の所は聞いてみないと分からないけど、岩ちゃんが本音を打ち明けるとも思わないし。


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