第13章 I'll be there

翔「ね、ねえ？」

そろそろと顔を覆っている手を外して、俺を見上げてくる。

「何？どうしたの？」

翔「も、もしかして…だけど…俺が…オンナノコ…？」

ちょんと首を傾げながら聞いてくる。

「…は？そうだけど？」

翔さんってば、何を今更…？

翔さんの顔がみるみる驚きの表情に変わっていく。
そして、俺の下から脱出しようとわたわたとしだした。

その手首を掴み、

「何？どうしたの？」

翔「きゃーっ！！」

俺に掴まれた手をぶんぶんと振り動かしながら、悲鳴をあげる翔さん。

こりゃ、パニックになってるな。

翔さんとは反対に、俺はかなり冷静にこの状況を分析しはじめていた。

そりゃ、男だもんな…。
受け入れるようにはできてないもんな…。
それに、ヘタレな翔さんだから、尚のことか…。
よし、一肌脱ぐか。

「翔さん。大丈夫。俺を信じて、ね？」

翔さんを安心させるために、何の根拠もないけど、大丈夫と笑顔で言った。
俺の顔をちらりと見てきて、

翔「きゃー！」

また、悲鳴をあげられた…。
何でだー？

手足をバタつかせて、必死に逃げ出そうとする翔さん。

ああもうー！
そんなにオンナノコになるの嫌なのかよ？

一向に収まりそうもない翔さんの抵抗に、だんだんとめんどくさくなってきた。